shizuki*heroine

夢より恋し

大きな掌が頭を撫でる。頭を、というより髪を、が正しいだろうか。彼のために、シャンプーもリンスも少し高いものに変えたことも、ブローだってずっと丁寧にするようになったのも、とっくに気付かれている。さわりと揺れる髪が首をくすぐった。思わず声を漏ら…

欲しがりさん

鏡を見る度、必ず目に入る位置に、赤い印が咲いている。隠すようにそっと指を重ねれば、赤く色づいた時のことを思い出して、顔が熱を持った。痛みまで蘇った気がして、慌てて顔を振って追い払う。意地が悪い、と独りごちれば、脳裏に浮かぶ彼が鼻で笑ったよう…